株式取引を始めてみたい方へ!株式取引を始める前に知っておきたいこと
株式取引に興味はあるものの、何から手をつければ良いのか分からないという方は多いのではないでしょうか。専門的な知識が必要そうに感じられますが、実は基本的な流れを理解すれば、初心者でも無理なく始められます。
株式投資とは、企業が発行する株式を売買することで利益を得る方法です。企業は事業資金を集めるために株式を発行し、投資家はその株式を購入することで企業の一部を所有する権利を得ます。株価が上がったときに売却すれば利益になりますし、保有している間は配当金や株主優待を受け取れることもあります。
ただし、株価は日々変動するため、購入時よりも値下がりして損失が出る可能性もあります。リスクとリターンは表裏一体であることを理解したうえで、自分に合った方法で取り組むことが大切です。
株式投資で得られる3つの利益
株式投資には、主に3種類の利益が存在します。それぞれの特徴を把握しておくと、自分の投資目的に合った銘柄選びに役立ちます。
| 利益の種類 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 売却益(キャピタルゲイン) | 株価が上昇したときに売却して得る利益 | 短期間で大きな利益を狙える反面、損失のリスクもある |
| 配当金(インカムゲイン) | 企業の利益から株主に分配されるお金 | 保有しているだけで定期的に受け取れるが、業績次第で変動する |
| 株主優待 | 企業が株主に贈る商品やサービス | 日常生活で使える優待品が魅力だが、すべての企業が実施しているわけではない |
売却益を狙うなら成長性の高い企業を、配当金を重視するなら配当利回りの高い企業を選ぶと良いでしょう。株主優待目当てなら、自分がよく利用する企業の株式を保有するのも一つの方法です。
株式投資に伴う主なリスク
株式投資を始める前に、どのようなリスクがあるかを知っておく必要があります。リスクを理解していれば、適切な対処ができます。
価格変動リスクは、株価が購入時より下がって損失が出る可能性のことです。企業の業績だけでなく、経済全体の動向や海外市場の影響なども受けるため、株価は常に変動します。購入価格より売却価格が低ければ、その差額分が損失になります。
信用リスクは、投資先の企業が経営不振に陥ったり倒産したりする可能性を指します。最悪の場合、株式の価値がゼロになることもあるため、企業の財務状況や事業の将来性をしっかり確認することが重要です。
流動性リスクは、売りたいときに買い手が見つからず、希望通りに売却できない可能性のことです。取引量が少ない銘柄では、このリスクが高まります。特に新興市場に上場している企業の株式は、取引量が限られている場合があるので注意が必要です。
証券口座の開設から取引開始までの手順
株式取引を始めるには、まず証券口座を開設する必要があります。現在はインターネットで手続きが完結する証券会社が主流で、自宅にいながら簡単に口座を作れます。
証券会社には大きく分けてSBI証券や楽天証券のような「ネット証券」と、野村證券や大和証券のような「店舗型証券」の2種類があります。ネット証券は手数料が安く、24時間いつでも取引できるのが利点です。店舗型証券は手数料がやや高めですが、担当者に直接相談できる安心感があります。初心者の場合、コストを抑えられるネット証券から始めるのがおすすめです。
証券口座開設の具体的な流れ
ネット証券で口座を開設する手順は、どの会社もほぼ共通しています。必要な書類を準備して、画面の指示に従って進めれば、特に難しいことはありません。
- 証券会社のウェブサイトから口座開設ページにアクセスする
- 氏名、住所、メールアドレスなどの基本情報を入力する
- マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類を撮影してアップロードする
- 審査が完了するまで数日待つ
- ログイン情報が記載されたメールや書類を受け取る
- 証券会社のサイトにログインして取引を開始する
本人確認書類は、スマートフォンで撮影してそのままアップロードできる会社が増えています。郵送よりも早く手続きが完了するので、オンラインでの提出を選ぶと良いでしょう。審査には通常2~3日程度かかりますが、会社によっては即日で口座開設が完了することもあります。
口座への入金方法
口座が開設できたら、次は取引に使う資金を入金します。入金方法はいくつかありますが、それぞれメリットとデメリットがあります。
即時入金サービスは、インターネットバンキングを通じて入金する方法です。ほとんどの証券会社で手数料が無料で、入金後すぐに取引可能な金額に反映されます。対応している金融機関が限られているので、事前に確認しておきましょう。
銀行振込は、自分の銀行口座から証券会社の指定口座に振り込む方法です。どの銀行からでも入金できますが、振込手数料は自己負担になります。また、入金が反映されるまでに時間がかかることがあるため、すぐに取引したい場合には向いていません。
多くの証券会社では、証券口座と連携した銀行口座を開設できるサービスもあります。このような連携口座を使うと、資金の移動がスムーズになり、金利優遇などの特典を受けられることもあります。
銘柄の選び方と注文の出し方
口座に入金が完了したら、いよいよ株式を購入します。しかし、日本には4,000社以上の上場企業があるため、どの銘柄を選べば良いか迷ってしまう方も多いでしょう。
銘柄選びに正解はありませんが、初心者のうちは自分がよく知っている企業や、日常生活で商品やサービスを利用している企業から選ぶと良いでしょう。業績が安定している大企業や、株主優待が魅力的な企業も人気があります。
購入に必要な金額を確認する
日本の株式は、基本的に100株単位で取引されます。これを「1単元」と呼び、多くの銘柄では100株が最低購入単位になっています。
必要な資金は「株価×100株」で計算できます。例えば、株価が2,000円の銘柄なら、2,000円×100株=20万円が必要です。株価が5,000円なら50万円、1万円なら100万円が必要になります。
ただし、証券会社によっては「単元未満株」や「ミニ株」と呼ばれる、1株から購入できるサービスを提供しているところもあります。これを利用すれば、数百円から数千円の少額でも株式投資を始められます。まずは少額から試してみたい方には、こうしたサービスの利用がおすすめです。
注文方法の種類と使い分け
株式を購入する際の注文方法には、主に「指値注文」と「成行注文」の2種類があります。どちらを選ぶかで、購入価格や約定の確実性が変わってきます。
| 注文方法 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 指値注文 | 希望する価格を指定して注文する方法。指定価格以下でないと購入できない | 時間に余裕があり、希望価格まで待てる場合 |
| 成行注文 | 価格を指定せず、その時点の市場価格で注文する方法。ほぼ確実に約定する | すぐに購入したい場合や、確実に取引を成立させたい場合 |
指値注文は、予算内で確実に購入したいときに便利です。ただし、株価が希望価格まで下がらなければ、購入できないまま取引時間が終わってしまうこともあります。一方、成行注文は確実に約定しますが、想定より高い価格で購入してしまう可能性があります。
どちらを選ぶかは状況次第ですが、初心者のうちは指値注文で希望価格を設定しておくと、予算管理がしやすくなります。
売却のタイミングと方法
株式を購入したら、次は売却のタイミングを考える必要があります。売却方法は購入時と同じく、指値注文と成行注文から選べます。
利益が出ているときは、欲を出しすぎず、目標とする利益率に達したら売却するのが基本です。例えば「10%上昇したら売る」というルールを決めておけば、迷わず判断できます。
反対に、株価が下がって損失が出ている場合も、あらかじめ「10%下落したら損切りする」などのルールを決めておくことが重要です。損失を最小限に抑えるためには、感情に流されず、冷静に判断することが求められます。
初心者が気をつけるべきポイント
株式投資で成功するには、知識と経験を積み重ねることが欠かせません。しかし、初心者のうちから注意すべきポイントを押さえておけば、大きな失敗を避けられます。
まず大切なのは、生活費や緊急時に必要な資金には手をつけないことです。株式投資は余裕資金で行うのが鉄則です。損失が出ても生活に影響が出ない範囲で始めましょう。
少額からスタートする
初心者が株式投資を始める際は、少額から始めるのが賢明です。いきなり大金を投資すると、損失が出たときの精神的ダメージが大きく、冷静な判断ができなくなります。
最初は数万円程度から始めて、取引の流れや相場の動きに慣れることを優先しましょう。単元未満株を利用すれば、1万円以下でも複数の銘柄に投資できます。実際に自分のお金を使って取引することで、書籍やウェブサイトで学ぶよりも多くのことを体感できます。
経験を積んで自信がついてきたら、徐々に投資額を増やしていけば良いのです。焦らず、自分のペースで進めることが長く続けるコツです。
分散投資でリスクを抑える
「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。これは、すべての資金を一つの銘柄に集中させると、その銘柄の株価が下がったときに大きな損失を被ることを意味しています。
複数の銘柄に分散して投資すれば、一つの銘柄で損失が出ても、他の銘柄で補える可能性があります。業種や企業規模が異なる銘柄を組み合わせると、より効果的にリスクを分散できます。例えば、景気に左右されやすい企業と、景気の影響を受けにくい企業の株式を両方保有するといった方法です。
また、一度にまとめて購入するのではなく、タイミングを分けて少しずつ購入する方法も有効です。これを「時間分散」と呼び、高値で大量に買ってしまうリスクを減らせます。
信用取引は避ける
信用取引とは、証券会社からお金や株式を借りて、手持ち資金の最大3.3倍まで取引できる制度です。少ない資金で大きな利益を狙えますが、その分損失も大きくなります。
初心者が信用取引に手を出すと、相場の急変時に対応できず、予想以上の損失を抱えてしまう危険性があります。まずは現物取引で経験を積み、相場の動きや自分の投資スタイルを理解してから、信用取引を検討しても遅くはありません。
マイルールを決めて守る
株式投資では、自分なりの取引ルールを決めておくことが重要です。ルールがないと、その場の感情で判断してしまい、損失を拡大させてしまいます。
- 利益が○%出たら売却する
- 損失が○%に達したら損切りする
- 一つの銘柄に投資する金額の上限を決める
- 購入前に企業の業績をチェックする
こうしたルールを決めたら、どんな状況でも守り通すことが大切です。「もう少し待てば上がるかもしれない」という期待から損切りを先延ばしにすると、損失がさらに膨らむことがあります。冷静に判断するためにも、ルールに従った取引を心がけましょう。
証券会社を選ぶときのチェックポイント
証券会社は数多くありますが、それぞれ手数料体系やサービス内容が異なります。自分に合った証券会社を選ぶことで、コストを抑えながら快適に取引できます。
取引手数料を比較する
株式の売買には、証券会社に支払う手数料が発生します。この手数料は会社によって大きく異なるため、必ず比較検討しましょう。
ネット証券の多くは、1日の取引金額が一定額以下なら手数料無料というプランを用意しています。少額取引が中心なら、こうしたプランを選ぶとコストを抑えられます。また、取引回数が多い方には、1日の取引金額に応じて手数料が決まる「定額プラン」が向いています。
手数料は利益を圧迫する要因になるため、特に少額投資を始める方は注意が必要です。売買で得た利益よりも手数料のほうが高くなる「手数料負け」を避けるためにも、手数料の安い証券会社を選びましょう。
取扱商品の種類
証券会社によって、取り扱っている金融商品の種類は異なります。株式だけでなく、投資信託、外国株式、債券、FXなど、幅広い商品を扱っている会社を選ぶと、将来的に投資の幅を広げやすくなります。
特に、単元未満株の取り扱いがあるかどうかは、少額投資を始めたい方にとって重要なポイントです。また、IPO株(新規上場株)の取り扱いが多い会社なら、上場直後の値上がりを狙った投資もできます。
スマホアプリの使いやすさ
現在は、スマホアプリで取引する人が増えています。アプリの使い勝手が悪いと、注文ミスをしたり、タイミングを逃したりする原因になります。
使いやすいアプリの条件としては、画面が見やすいこと、注文画面への遷移がスムーズなこと、リアルタイムで株価が更新されることなどが挙げられます。また、経済ニュースや企業情報を簡単にチェックできる機能があると便利です。
多くの証券会社では、口座開設前でもアプリの機能をデモで試せることがあります。実際に操作してみて、自分に合っているかを確認してから口座を開設すると良いでしょう。
NISAを活用して税金を節約する
株式投資で得た利益には、通常約20%の税金がかかります。しかし、NISA(少額投資非課税制度)を利用すれば、一定の範囲内で得た利益が非課税になります。
NISAには「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2種類があり、年間で一定額まで非課税で投資できます。成長投資枠では個別株式や投資信託を購入でき、つみたて投資枠では長期の資産形成に適した投資信託を積み立てられます。
例えば、通常の口座で10万円の利益が出た場合、約2万円が税金として差し引かれます。しかし、NISA口座なら10万円をそのまま受け取れるため、長期的に見ると大きな差になります。
NISA口座は一人一つしか開設できないため、証券会社選びは慎重に行いましょう。手数料の安さや取扱商品の豊富さなど、総合的に判断することが大切です。
株式取引を始めるには、まず証券口座を開設し、少額から投資を始めることが重要です。リスクを理解したうえで、自分なりのルールを決めて取り組めば、初心者でも無理なく株式投資を続けられます。焦らず、一歩ずつ経験を積んでいきましょう。